木へんに丁「朾」の読み方・苗字や熟語【漢字辞典】

「木へんに丁」で「朾」(※かなり珍しい漢字)と書きます。日常ではほぼ見かけませんが、辞典では「突く・打ち当てる」の意味を中心に、昆虫名や地名としても載るのが特徴です。

この記事では、読み方(音読み・訓読み)、字の成り立ち、苗字での使われ方、熟語・用語例まで、検索で知りたいポイントをまとめて解説します。

木へんに丁「朾」の漢字の意味とは?

木へんに丁の「朾」は、辞典では主に「突く」「打ち当てる」といった動作を表す漢字として説明されます。イメージとしては、木材に何かを当ててたたく・突き立てるようなニュアンスです。

また、「朾」は意味が1つだけではありません。用例として、昆虫名(赤く大きな蟻を指す語)や、斧で木を切る音を表す擬音的な言葉、さらに古い時代の地名としても載ることがあります。珍字ですが、辞書を引くと“意外と情報が多いタイプ”です。

木へんに丁「朾」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報

「朾」は木へん(木部)に属し、総画数は6画です。パーツとしては「木」+「丁」で構成されます。

基本データ(一覧)

漢字
部首木部(き・きへん)
総画数6画(目安:木4+2)
漢検の目安配当外(学習漢字・常用漢字の範囲外として扱われやすい)
文字コードUnicode:U+673E

なお「朾」は、環境(フォント・端末)によって字形が変わって見える場合がある“環境依存”の注意点もあります。資料作成や名寄せでは、コピー&ペースト後の表示や文字化けに気をつけると安心です。

木へんに丁「朾」の漢字読み方|音読み

「朾」の音読みは、辞典によって挙げ方が少し違いますが、代表的には「トウ」、次いで「ジョウ」「テイ」などが見られます。別資料では「チョウ」を載せることもあります。

音読み(辞典で見かける形)

  • トウ
  • ジョウ
  • テイ
  • チョウ(載る辞典もある)

また中国語(漢語拼音)ではtīngの読みで扱われ、地名項目として説明されるケースがあります。日本語の読み分けに迷ったら、まずは熟語側(例:朾朾)に読みが振られていないかを確認するのがコツです。

木へんに丁「朾」の漢字読み方|訓読み

「朾」は訓読みがはっきり定着している漢字ではありません。辞典によっては訓読みを載せず、音読みのみで紹介されることもあります。

一方で、意味が「突く」に近いことから、資料によっては「つ(く)」のような形で訓読みを補助的に示す場合もあります。つまり、訓読み欄は“辞典差が出やすいポイント”です。

訓読みの扱い(目安)

  • 辞典A:訓読みなし(音読み中心)
  • 辞典B:意味に合わせて「つ(く)」を補助的に提示

実務では、人名・地名で出てきた場合に勝手に訓読みを当てないのが安全です。ふりがな・公式表記を優先しましょう。

「朾」の成り立ち(字源)|木+丁でなぜこの意味になる?

「朾」は、意味を表す「木」と、音(読みの手がかり)になりやすい「丁」を組み合わせた形声文字として説明されます。つまり「木」は“木材・木製品”の領域を示し、「丁」が“音”を支える構造です。

この形から、木に対して何かを打つ・突くといった動作の意味が発展した、と捉えると理解しやすいです。パーツ分解はシンプルですが、そこから擬音(朾朾)昆虫名(朾螘)のように用例が広がっているのが面白いところです。

漢字構成

  • 木丁(木+丁)
  • 意味要素:
  • 音の要素:

木へんに丁「朾」が使われる苗字と読み方

「朾」は表外の珍しい字のため、名字(苗字)で一般的に広く使われるケースは多くありません。そのぶん、もし名簿や書類で見かけた場合は、異体字・旧字体・外字の可能性も含めて慎重に確認するのがおすすめです。

名字で見かけたときの確認ポイント

  • 住民票・戸籍などの正式な字形(外字コード)を確認する
  • ふりがな(読み)がある場合はそれを最優先する
  • フォント差で「別の字」に見えることがあるため、コピーして検索して照合する

特に「朾」は環境によって表示差が出ることがあるので、メールやPDFで受け取った字をそのまま手入力せず、可能なら原文データを貼り付けて扱うとミスが減ります。

木へんに丁「朾」を使う熟語・言葉と読み方

「朾」を含む代表的な語は、辞典に載っている次の2つが分かりやすいです。どちらも日常語というより、辞書で出会うタイプの言葉です。

「朾」を含む言葉(例)

読み意味
朾螘とうぎ昆虫名。赤く大きな蟻を指すとされる
朾朾とうとう斧で木を切る音を表す語

「朾」は単独で使うよりも、こうした熟語・用例の中で読みが固定されていることが多いです。音読みが複数あって迷う場合は、まず用例側を手がかりにするのが近道です。

木へんに丁「朾」を含む地名・用語と読み方

「朾」は、古い地名としても説明されます。中国の春秋時代にの国にあった土地の名で、現在の河南省付近(淮陽県西北あたり)に比定される、という形で辞典に載っています。

また、台湾の教育部系辞典では、「朾」を「打」に関わる異体字として扱う情報も見られます。こうした背景から、「朾」は“木へんの珍字”というだけでなく、古典・地名・異体字の文脈で出てくる可能性がある字だと言えます。

地名・用語としてのポイント

  • 古地名:春秋時代のの属地としての「朾」
  • 中国語読み:tīng(拼音)
  • 異体字情報:「打」に関わる異体字としての扱い