「木へんに干す」と書く「杆」は、ふだんはあまり見かけないものの、建築や医療などの用語でしれっと出てくる漢字です。
読み方の軸は音読み「カン」。意味は「てこ(梃)」や「盾(たて)」
この記事では「杆」の意味・読み方・成り立ち、苗字、熟語、地名・用語まで、漢字辞典スタイルでわかりやすくまとめます。
もくじ
木へんに干す「杆」の漢字の意味とは?
「杆」の中心イメージは、まっすぐな棒状の木材から発展した意味です。代表的なのは「てこ(梃)」で、物を持ち上げたり動かしたりするときに使う棒(てこ棒)を指します。
次に「たて(盾)」の意味もあり、古い用例では武具としての「盾」を表します。また、建築関連では「てすり」の意味で使われ、たとえば「欄杆(らんかん)」のような語に出会います。
ポイントは、「杆」単体で判断せず、前後の言葉から“てこ系”か“盾系”か“手すり系”かを見分けることです。
木へんに干す「杆」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報
「杆」は部首が木(きへん)で、画数は7画です。常用漢字ではなく、漢検の目安は1級相当として扱われます。
また資料によっては、「杆」は「桿」(木へん+旱)と関係する異体字として示されます。さらに、サイトによっては「竿」との旧字体・異体字関係として説明されることもあるため、表記揺れ(杆/桿/竿)に注意すると安心です。
基本情報(一覧)
| 漢字 | 杆 |
|---|---|
| 部首 | 木(きへん) |
| 画数 | 7画 |
| 常用漢字 | 常用外 |
| 漢検目安 | 1級 |
| 異体字 | 桿(など) |
名付けでの扱い(注意)
辞典サイトでは「杆」は名前に使えないと案内される例があります。戸籍・名付けの扱いは条件で変わることがあるため、必要なら自治体窓口で確認すると確実です。
木へんに干す「杆」の漢字読み方|音読み
音読みは「カン」です。実用で一番出会いやすいのが「杆菌(カンキン)」で、医療・生物系の文章では定番の表記になります。
ほかにも、建築の「欄杆(ランカン)」、物理・機械の文脈で出る「槓杆(コウカン)」など、音読み「カン」を含む熟語として覚えるとスムーズです。
音読みの例
- 杆菌(カンキン)
- 欄杆(ランカン)
- 槓杆(コウカン)
木へんに干す「杆」の漢字読み方|訓読み
訓読みは「てこ」と「たて」が基本です。「てこ」は、まさに意味①の「梃(てこ)」に対応し、「てこ棒」としてのニュアンスも含みます。
「たて」は武具の「盾」を表す読みで、現代日本語では日常的ではないものの、辞書・古い語彙で見かけます。訓読みはどちらも“用途が見える読み”なので、意味とセットで覚えるのがコツです。
訓読みまとめ
- てこ:てこ/てこ棒
- たて:盾(身を守る武具)
「杆」の成り立ち(字源)|木+干(干す)でなぜこの意味になる?
「杆」は一般に、左の「木」が意味(木材・木の道具)を示し、右の「干」が音(カン系)を示す形声文字として説明されます。
木材の棒は、用途が広いぶん意味も広がりやすく、そこから「てこ(梃)」、武具としての「盾(たて)」、建築の「てすり」へと用法が展開した、と捉えると理解がまとまります。
「杆/桿」などの異体字もあるので、辞書によって字形が違って見える場合がある点も押さえておくと安心です。
木へんに干す「杆」が使われる苗字と読み方
「杆」を含む苗字はかなり珍しく、名字データベースでは「杆鞭」が確認できる代表例です。読み方は「きねむち」で、推定人口はごくわずかとされています。
「杆」を名字で見かけた場合、まずはふりがな確認が安全です。難読系は家ごとに読みが固定されていることが多く、推測読みが外れることもあります。
「杆」を含む苗字(例)
| 苗字 | 読み方 | メモ |
|---|---|---|
| 杆鞭 | きねむち | ごくわずか(非常に珍しい) |
木へんに干す「杆」を使う熟語・言葉と読み方
「杆」を含む言葉は多くはありませんが、実用で出会いやすいものがいくつかあります。特に医療の「杆菌(かんきん)」と、建築の「欄杆(らんかん)」は知っておくと読み間違いが減ります。
また「槓杆(こうかん)」は「てこ」の意味を持つ語で、表記として「てこ」と読む場合もあります。用途が違うだけで、根っこは“棒を使って働かせる”というイメージが共通です。
「杆」を含む熟語・用語
| 熟語・用語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 杆菌 | かんきん | 棒状の形をした細菌の総称 |
| 欄杆 | らんかん | 手すり(欄干の別表記) |
| 槓杆 | こうかん/てこ | てこ(レバー) |
| 槍杆 | そうかん | 槍の柄(え)・棒の部分 |
| 平杆 | へいかん | 体操競技の「平行棒」を指す語 |
木へんに干す「杆」を含む地名・用語と読み方
「杆」は、国内の地名としては一般的ではありません。地名一覧系の資料では、「杆」を含む地名が掲載されていないケースもあり、地名よりは用語で出会うことが多い漢字です。
用語としては、医療・生物の「杆菌(かんきん)」、建築の「欄杆(らんかん)」、物理の「槓杆(こうかん)」が代表例です。意味がバラけて見えるときは、「杆=棒」から派生した、と考えると整理しやすいです。
覚えておくと便利な“用語3点セット”
- 杆菌(かんきん):医療・生物
- 欄杆(らんかん):建築(手すり)
- 槓杆(こうかん):物理(てこ)

