「木へんに大きい」と書く「杕」は、ふだんの文章ではあまり見かけないレア漢字です。
この記事では、「杕」の意味・読み方(音読み/訓読み)・成り立ちから、苗字や熟語の例まで、漢字辞典っぽくまとめて解説します。
もくじ
木へんに大きい「杕」の漢字の意味とは?
「杕」には、まず「木が一本だけ高く立っているさま」という意味があります。森の中ではなく、一本だけスッと立つ“ひとり立ちの木”のイメージです。
もう一つの意味として、「かじ(舵)」=船の進行方向を調整する道具を表すこともあります。現代日本語では通常「舵」を使うため、「杕」は主に辞書や古典で見かける漢字です。
辞書によっては、意味を「木が盛んに茂るさま」と説明するものもあり、用例・出典でニュアンスが動く点は押さえておくと安心です。
木へんに大きい「杕」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報
まずは「杕」の基本データをサクッと整理します。レア字なので、表示環境で字形が変わる(環境依存)点も重要です。
| 漢字 | 杕 |
|---|---|
| 部首 | 木部(き・きへん) |
| 画数 | 7画(木4+3) |
| 主な読み | テイ/ダイ/タ/ダ |
| 漢検目安 | 配当外(常用漢字ではない) |
| Unicode | U+6755 |
「杕」は常用漢字ではありません。入力やフォントによっては表示できないこともあるので、書類用途なら代替字(例:舵)も検討すると安全です。
木へんに大きい「杕」の漢字読み方|音読み
「杕」の音読みは、資料で「テイ」を中心に、「ダイ」、さらに「タ」「ダ」などが挙がります。
音読み一覧
- テイ
- ダイ
- タ
- ダ
実際の文章では「杕」自体がレアなので、読みは熟語や出典の慣用に引っ張られがちです。古典由来の用語では音読みで読むケースが多い、と覚えると迷いにくいです。
木へんに大きい「杕」の漢字読み方|訓読み
「杕」は辞書によっては訓読みが付かない(実用上ほぼ使わない)扱いになることがあります。普段の日本語では「舵(かじ)」を使うためです。
一方で、「杕」を「かじ」と読む説明も見られます。これは「杕=舵」という意味から来る読み方で、読みとして扱うかは辞書の流儀次第です。
迷ったら、本文では「舵(かじ)」に置き換える、または注釈で「杕(かじ)」と補うのが安全です。
「杕」の成り立ち(字源)|木+大(おおきい)でなぜこの意味になる?
「杕」は、木(意味)+大(音/要素)の形で成り立つとされます(形声)。「木」が入るので、基本イメージは木に関する字です。
そこから「一本だけ高く立つ木」=孤立して立つ木という意味につながる説明が一般的です。
また、「杕」を舵(かじ)の意味で使う説明もあり、同じ“かじ”を表す字(例:柁)と近い扱いで載ることがあります。字源・用例で意味が広がった、と理解するとスムーズです。
木へんに大きい「杕」が使われる苗字と読み方
結論から言うと、「杕」単体、または「杕」を含む苗字は日本ではかなり珍しい部類です。一般的な名字として頻出する漢字ではありません。
もし名字・戸籍等で「杕」を見かけた場合、読みはテイ/ダイ系で当てられている可能性がありますが、レア字ほど家ごとの読みが優先されます。
名乗りや固有名詞は例外が多いので、確実にするならご本人確認がいちばん安全です(読みが分かれば、文章側はそれに合わせて統一できます)。
木へんに大きい「杕」を使う熟語・言葉と読み方
「杕」は日常語の熟語では出番が少なく、代表例として挙げやすいのは古典由来の「杕杜(ていと)」です。中国古典『詩経』にある篇名として知られます。
「杕」を含む代表的な語
- 杕杜(ていと):『詩経』の篇名。一本立ちの木(杕)に関するイメージで解釈されることがあります。
「杕=舵」という意味から、現代文では「舵」を使った語(例:舵取り)に置き換えられるのが普通です。文章内であえて「杕」を使うなら、読み仮名を添えると親切です。
木へんに大きい「杕」を含む地名・用語と読み方
「杕」を含む地名は、日本語圏では一般的に多くは確認されにくいタイプです(レア字のため)。地名で出る場合は、旧字・異体字や当て字の可能性もあります。
用語としては、やはり『詩経』の「杕杜(ていと)」が代表例です。古典・漢文の文脈では、テイを軸に読むと通りが良いことが多いです。
また「杕」は環境依存で字形差が出ることがあるので、データ入力・印刷用途では表示確認をしてから使うのが安心です。

