「木へんに弓」と書く「杛」は、日常ではほとんど見かけないレア漢字です。
辞書では「木の名(樹木名)」として扱われる一方、具体的にどの木を指すかは資料によってはっきり書かれていないこともあります。
この記事では、読み方(音読み・訓読み)、部首・画数などの基本情報、成り立ち、苗字や言葉での使われ方までまとめて解説します。
もくじ
木へんに弓「杛」の漢字の意味とは?
「杛」は、木へん(木部)の漢字で、意味は「木の名」とされます。つまり特定の樹木(または木材)を指す漢字として、古い字書に載っているタイプの文字です。
ただし「朴(ホオノキ)」のように、現代日本語で一般名詞として定着している木の名前と違い、「杛」は現代の文章や会話で“木の種類”として使われる場面がほぼないのが特徴です。
そのため、目にする機会があるとすれば、漢字辞典・文字コード一覧・古典籍の引用など、いわゆる“文字としての情報”の文脈が中心になります。覚え方としては、「木に関係する字」という芯だけ押さえると理解しやすいです。
木へんに弓「杛」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報
「杛」の基本スペックは次のとおりです。見た目がシンプルなので、画数は少なめです。
「杛」の基本情報(一覧)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 漢字 | 杛 |
| 部首 | 木部(き・きへん) |
| 総画数 | 7画 |
| 音読み | キュウ/ク |
| 訓読み | (定着したものは基本的に見当たりにくい) |
| 常用漢字 | 常用漢字ではない(表外) |
| 漢検目安 | 配当外(級の出題範囲外として扱われることが多い) |
| Unicode | U+675B |
ポイントは、常用漢字ではない=一般的な文章ではまず出てこないという点です。人名・地名・旧字や異体字の文脈で見かけたら、「読みは辞書で要確認」と考えるのが安全です。
また環境によって字形の見え方が変わることがあるので、表示が崩れていたら「木へんに弓」と説明して照合すると確実です。
木へんに弓「杛」の漢字読み方|音読み
「杛」の音読みは、主に「キュウ」、もう一つが「ク」として扱われます。見た目のとおり「弓(キュウ)」の音に引っ張られていて、読みのイメージが作りやすい漢字です。
音読みの目安
- キュウ:辞書で先に挙がりやすい代表的な読み
- ク:別の音として併記されることがある読み
ただし「杛」は使用頻度が低いため、熟語の中で読みが固定されて覚えられるタイプではありません。文章で出てきた場合は、ルビ(ふりがな)が付いているか、前後の説明で「木の名」と分かるか、を手がかりにすると読み違いを減らせます。
名前などで使われていた場合も、音読みベース(きゅう/く)で当てられていることが多い、と押さえておくと対応しやすいです。
木へんに弓「杛」の漢字読み方|訓読み
「杛」は意味が「木の名」とされる一方で、現代日本語として定番の訓読み(和語の読み)が広く定着している漢字ではありません。辞典でも訓読み欄が空欄になっていることがよくあります。
その理由はシンプルで、現代の生活語彙として「杛」という字を使って木の名前を言い表す文化が、ほぼ残っていないからです。たとえば「杉(すぎ)」「檜(ひのき)」のように、読みと実物がセットで流通していないんですね。
読み方に迷ったときの考え方
- 文章:まずは音読み(キュウ/ク)で読む
- 固有名詞:ルビ・戸籍表記・本人の読みを最優先する
- 辞書:訓読みが無い場合は「訓読みなし」扱いとして整理する
「訓読みがない=間違い」ではなく、単に現代日本語での運用が少ない字という位置づけです。無理に訓を作らず、音で読むのが基本になります。
「杛」の成り立ち(字源)|木+弓でなぜこの意味になる?
「杛」は、見た目どおり「木」+「弓」の組み合わせです。成り立ちとしては、ざっくり言うと木(意味の部品)+弓(音の部品)の考え方が分かりやすいです。
つまり、「木」が入ることで“樹木・木材に関係する字”であることを示し、「弓」が入ることで発音(音)が近いことを示す、という組み立てです。実際に音読みがキュウ/クとされるのは、この「弓」の音と相性がいいため、と理解できます。
イメージで覚えるコツ
- 木:意味の方向性(木の仲間)
- 弓:音のヒント(キュウ系)
なお、古い字書の世界では「杛=木の名」とだけ書かれて、具体的な樹種まで説明されないこともあります。ここは「木の名前として載っている字」という結論を押さえるのが実用的です。
木へんに弓「杛」が使われる苗字と読み方
「杛」を苗字(名字)として見るケースはかなり稀です。一般的な名字データベースで頻出するタイプではないため、「見つからない=存在しない」とは言い切れない一方で、少なくともメジャーな名字として流通している可能性は低めです。
もし戸籍・家系図・古文書などで「杛」が姓に入っていた場合、読みは音読み寄せ(きゅう/く)で付いているケースが考えやすいです。ただし固有名詞は例外が多いので、最終的にはその家の読み(当事者の読み)が正解になります。
苗字で出てきたときの確認ポイント
- 読みの手がかり:ふりがな/ルビが付いていないか
- 字の取り違え:「杜」「杖」「杼」など、似た字と誤読されやすい
- 入力:PCならUnicode(U+675B)で照合すると確実
特に公的書類ではフォントの都合で字形が似て見えることがあるので、「木へんに弓の杛」と部品で説明できるようにしておくと安心です。
木へんに弓「杛」を使う熟語・言葉と読み方
結論から言うと、「杛」を含む定番の日本語熟語は多くありません。辞書的には単独で「木の名」を表す字として載ることが中心で、日常語の熟語に入り込む場面が少ないためです。
その代わり、「杛」は“文字情報としての用語”で見かけることがあります。たとえば Unicode や文字一覧など、デジタル寄りの文脈です。
「杛」をめぐる代表的な“言葉の出方”
- 杛(キュウ/ク):木の名(単字としての意味)
- U+675B:Unicode上のコードポイント
- 戸籍・文字コード関連の一覧:利用可能文字のリスト等で掲載されることがある
もし「杛○○」のような語を見つけたら、まずはそれが固有名詞(人名・地名・資料名)か、古典籍の引用かを切り分けると理解が早いです。読みはキュウ系で当たることが多いですが、必ず周辺情報もセットで確認しましょう。
木へんに弓「杛」を含む地名・用語と読み方
「杛」を含む有名な地名は、少なくとも現代日本の一般的な地名としては見つけにくい部類です。これは、そもそも字自体が表外で、地名表記に採用される機会が少ないためです。
一方で「用語」としては、文字の管理番号やコードの形で登場します。特にデジタル環境では、文字を一意に扱うためにコード情報がセットで語られます。
「杛」を見分けるための用語(読み方の目安つき)
- Unicode:U+675B(ユニコード)
- 部首:木部(きぶ)/きへん
- 総画数:7画(ななかく)
- 音読み:キュウ/ク
地名や人名で「見たことない木へんの字」が出たときは、読みを断定せず、字形(木+弓)→コード(U+675B)→読みの候補(キュウ/ク)の順で確認すると、誤読をかなり防げます。

