「杪」は、日常ではあまり見かけない漢検1級レベルの難しい漢字です。意味の中心は「こずえ(木の先端)」で、そこから転じて「季節や年月のすえ(終わり)」や「細い・わずか」といったニュアンスでも使われます。
文章では「杪春(びょうしゅん)」「杪秋(びょうしゅう)」のような季語・時候表現で見かけることが多く、苗字では「杪谷(ほいたに/ほえたに など)」が代表例です。
この記事では、「杪」の読み方・成り立ち・苗字・熟語まで、調べ物にそのまま使える形でまとめます。
もくじ
木へんに少ない「杪」の漢字の意味とは?
「杪」は大きく分けて、次の3つの意味で使われます。まず核になるのが「こずえ(木の先・枝先)」で、そこから「すえ/おわり」、さらに「細い・小さい」へ意味が広がりました。
たとえば文章では「木の杪(こずえ)」のように“木の上のほう”を指したり、「歳杪(さいびょう/年末)」のように“年の終わり”を指す形で登場します。
日常語というより、古文・漢文調の文脈や、季節の言い回し、辞書的な語彙で見かけやすい漢字です。
「杪」の主な意味(ざっくり早見)
| 意味 | イメージ | 例 |
|---|---|---|
| こずえ(木の先) | 枝のいちばん先端 | 木の杪(こずえ) |
| すえ/おわり | 時期の末尾 | 杪春(春の終わり) |
| 細い/わずか | 小さく細い | (文語的に)杪小 など |
木へんに少ない「杪」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報
「杪」は部首が木(きへん)で、画数は8画。常用漢字ではなく、学習では漢検1級の範囲として扱われます。
文字コードとしてはUnicodeがU+676A。環境によって字形が微妙に異なる場合もあるため、資料作成やフォント指定が必要な場面では注意しておくと安心です。
「こずえ」「すえ」といった訓読みがある一方、熟語では音読み(ビョウ)で読むことが多く、季語・時候表現で出番が増えます。
基本情報
| 漢字 | 杪 |
|---|---|
| 部首 | 木部(き・きへん) |
| 画数 | 8画 |
| 音読み | ビョウ |
| 訓読み | こずえ/すえ/ちいさい(辞書により「おわり」表記も) |
| 漢検目安 | 1級 |
| Unicode | U+676A |
木へんに少ない「杪」の漢字読み方|音読み
「杪」の音読みはビョウです。文章では訓読みよりも、熟語として音読みで登場するケースが目立ちます。
特に「杪春(びょうしゅん)」「杪夏(びょうか)」「杪秋(びょうしゅう)」「杪冬(びょうとう)」のように、季節の終わりを表す言葉でよく使われます。
「杪」はそれ自体が難読になりやすいので、まずは“ビョウ”が基本と押さえておくと、熟語が一気に読みやすくなります。
音読みが出る代表例
- 杪春(びょうしゅん):春の終わり
- 杪秋(びょうしゅう):秋の終わり
- 杪冬(びょうとう):冬の終わり
木へんに少ない「杪」の漢字読み方|訓読み
「杪」の訓読みは、主にこずえ・すえ・ちいさいです(辞書によっては「おわり」と示すものもあります)。
こずえは「木の先端・枝先」という意味で、漢文調の文章や注釈で見かけやすい読み方です。すえは「末尾・終わり」という意味で、時期の終盤を示す言い回しに繋がります。
ちいさいは「細い・わずか」のニュアンス。日常会話で単独使用するより、文語的な言い回しや辞書的説明で見かける読み方です。

