「木へんに通る」と書く樋(ひ/とい)は、いわゆる“水を通す道”をつくる漢字です。
家では雨樋(あまどい)として、屋根の雨水を集めて流す設備に使われ、土木では樋門(ひもん)・樋管(ひかん)のように堤防を横切る水路の名称にも登場します。
苗字では樋口(ひぐち)が特に有名。この記事では「樋」の意味・読み方・成り立ちから、苗字・熟語・地名まで辞典風にまとめます。
もくじ
木へんに通る「樋」の漢字の意味とは?
樋の基本の意味は、水を通すための溝・管です。昔は竹や木で作った“半円形の水路”や“筒”を指し、そこから現代の雨どい・排水設備の意味へつながりました。
家まわりでは雨樋(あまどい)=屋根の雨水を集めて流す装置、という使い方が一番わかりやすいです。一方、用水路の取り入れ口などでは水を引くための樋(ひ)として説明されることもあります。
つまり「樋」は、暮らしの中で“水の通り道”をつくるものをまとめて表せる漢字、と押さえると理解が早いです。
木へんに通る「樋」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報
樋の部首は木(きへん)、画数は一般的に15画です。常用漢字ではありませんが、名字などで使われることが多く、資料でも見かけます。
漢検の目安は準1級。読みは「ひ/とい」が中心で、PC表示では“しんにょう”が1点・2点に見える場合がありますが、どちらも同じ字として扱われます。
「樋」の基本データ
| 漢字 | 樋 |
|---|---|
| 部首 | 木部(き・きへん) |
| 画数 | 15画 |
| 常用漢字 | 常用漢字ではない |
| 漢検目安 | 準1級 |
| Unicode | U+6A0B |
木へんに通る「樋」の漢字読み方|音読み
「樋」の音読みは主にトウです。辞書によってはツを挙げるものもありますが、日常的に音読みで読む機会は多くありません。
実用上は、熟語でも訓読み(ひ/とい)で読むことが多いので、まず「樋=ひ/とい」の感覚を優先すると迷いにくいです。
とはいえ、辞典・索引・学習用途では音読み「トウ」が整理の基準になるので、「載っていたらそう読む」くらいで覚えておくと十分です。
音読みの目安
- トウ:基本の音読み
- ツ:辞書によって掲載がある(使用頻度は高くない)
木へんに通る「樋」の漢字読み方|訓読み
「樋」の訓読みはひとといが中心です。ざっくり言うと、ひ=水を通す管・水路、とい=雨どい(建物の排水)というイメージで使い分けるとわかりやすいです。
たとえば「雨樋」はあまどいと読むのが一般的で、屋根の雨水を地面の排水口へ流します。縦方向に落とす部分は竪樋(たてどい)/縦樋(たてどい)と呼ばれます。
固有名詞(苗字・地名)では、ひ/とい読みが混ざるので、見かけたら前後の語(口・上・田 など)とセットで判断するのがコツです。
よく出る訓読みの例
- 雨樋(あまどい):雨水を集めて流す設備
- 竪樋(たてどい):雨水を縦に落とす配管
- 樋(ひ):用水を引く樋・水を通す管
「樋」の成り立ち(字源)|木+通(の要素)でなぜこの意味になる?
「樋」は形声文字とされ、左の木が「木製の道具・木に関わるもの」を示し、右側は「通」に含まれる要素(音を表す部分)だと説明されます。
もともと樋は、竹や木で作った“水を通す筒・溝”のような設備でした。そこで「木」+(通るイメージにつながる音符)を合わせて、水の通り道=樋の意味に落ち着いた、と捉えると自然です。
字の形そのものが“木でできた通り道”を連想させるので、意味も読みもスッと覚えやすくなります。
木へんに通る「樋」が使われる苗字と読み方
「樋」を含む苗字は多く、代表は樋口(ひぐち)です。他にも樋渡(ひわたり/ひわたし)、樋田(ひだ/といだ など)のように、読みが複数ある名字も見つかります。
苗字は同じ表記でも家・地域で読みが違うことがあるので、名簿や連絡先で見たときは確定読みを確認するのが安全です。
「樋」を含む苗字(例)
| 苗字 | 読み方(例) | メモ |
|---|---|---|
| 樋口 | ひぐち | 最も有名な例 |
| 樋渡 | ひわたり/ひわたし/ひわた | 読みが分かれやすい |
| 樋田 | ひだ/といだ など | 別読みが複数ある |
| 樋上 | ひのうえ/ひがみ | 「ひ+位置」系 |
| 樋川 | ひかわ/といかわ | 地名由来の印象も |
| 樋野 | ひの/といの | 読みが2系統 |
| 井樋 | いび/いひ | かなり珍しい |
| 土樋 | どひ/つちどい | 地域で差が出やすい |
木へんに通る「樋」を使う熟語・言葉と読み方
「樋」を使う言葉は、建物の排水(雨どい)と、河川・用水の設備(堤防を横断する施設)に大きく分かれます。まず日常では雨樋(あまどい)が定番です。
土木分野では樋門(ひもん)・樋管(ひかん)が重要語で、どちらも堤防を横断して排水・取水するための構造物を指します(規模が大きいと樋門、小さいと樋管、と説明されることが多いです)。
また「樋口(ひぐち)」は苗字として有名ですが、一般名詞として“樋の水の出口”の意味でも載るので、文脈で判断できると強いです。
暮らしでよく見る「樋」
| 言葉 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 雨樋 | あまどい | 屋根の雨水を集めて流す |
| 竪樋(縦樋) | たてどい | 雨水を地上へ落とす縦方向の配管 |
| 樋口 | ひぐち | 樋の水の出口/または姓 |
河川・用水で出る「樋」
| 用語 | 読み | ざっくり説明 |
|---|---|---|
| 樋門 | ひもん | 堤防を横断して排水・取水する構造物(比較的大きい) |
| 樋管 | ひかん | 樋門より小規模とされることが多い(暗渠状の水路) |
木へんに通る「樋」を含む地名・用語と読み方
「樋」を含む地名は全国に点在し、読みはひ系ととい系が混ざります。たとえば福島県の飯樋(いいとい)のように「とい」読みがそのまま地名になっている例があります。
京都には一乗寺樋ノ口町(いちじょうじひのくちちょう)、西京区には嵐山樋ノ上町(あらしやまひのかみちょう)など、「樋ノ口/樋ノ上」系の町名が見られます。
地名は読みが固定されるので、見かけたらその固有の読みを丸ごと覚えるのが最短です。特に「ひのくち」「といがさわ」などは初見で迷いやすいので注意しましょう。
「樋」を含む地名(例)
- 飯樋(いいとい):福島県 相馬郡 飯舘村
- 掛樋(かけひ):三重県 桑名市
- 大樋町(おおひまち):石川県 金沢市
- 嵐山樋ノ上町(あらしやまひのかみちょう):京都府 京都市西京区
- 一乗寺樋ノ口町(いちじょうじひのくちちょう):京都府 京都市左京区
- 樋ケ沢(といがさわ):青森県 平川市(周辺に複数の同系地名)

