「Chez moi(シェ・モア)」は、フランス語でよく聞く表現のひとつ。フレンチのお店の名前や、なぜか老人ホーム(介護施設)の名称にも使われていて、「結局どういう意味?」と気になる人も多いです。
この記事では、Chez moi の基本の意味から、「chez」の使い方、似た表現との違い、そしてフレンチや老人ホームで好まれる理由まで、例文つきでわかりやすくまとめます。読み終わるころには、自信をもって使い分けできるようになります。
もくじ
Chez moi(シェ・モア)の意味は「私の家で/私のところで」
まず結論から言うと、Chez moi は「私の家で」「私のところで」という意味です。
「chez」は「〜の家・場所で」を表し、「moi」は「私」。つまり直訳すると「私のところで」になります。
たとえば友人に「うちにおいでよ」と言うなら、Viens chez moi.(ヴィヤン・シェ・モア)という感じ。単に家という建物を指すだけでなく、“私のテリトリー” や “私の居場所” のニュアンスが含まれるのがポイントです。
この「居場所」感があるからこそ、店名や施設名としても相性がよく、“ここはあなたの居心地のいい場所ですよ” というメッセージに転用されやすい表現になっています。
「chez(シェ)」の基本:人・家・場所をまとめて指せる便利な前置詞
「chez」はフランス語の中でも少し独特で、英語の at / in だけでは置き換えにくい前置詞です。ざっくり言うと、“人にひもづく場所”を指します。家だけでなく、相手の職場やお店のような場所にも広がります。
「chez」がよく付く相手・名詞のパターン
- 人名:chez Paul(ポールの家/ポールのところ)
- 代名詞:chez moi / chez toi(私の家/あなたの家)
- 職業・肩書:chez le médecin(医者のところ)
- 店・会社・ブランド:chez ○○(○○の店/○○のところ)
つまり「chez」は、“誰の場所か”が中心。だから Chez moi も、単なる住所というより「私が属している場所」の手触りが出ます。名前に使うと、“誰かの家に招かれたような親密さ”が出せるのも強みです。
「Chez moi」と「à la maison」の違い:同じ「家」でもニュアンスが変わる
「家で」を表すフランス語には、Chez moi と並んで à la maison(ア・ラ・メゾン)も有名です。どちらも「家で」ですが、実はニュアンスが違います。
Chez moi と à la maison の使い分け
| 表現 | 中心の意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| chez moi | 私のところで | “私の領域”/誰の場所かが主役 |
| à la maison | 家(家庭)で | “家という場所”が主役、より一般的 |
たとえば「今日は家にいるよ」は Je suis à la maison. が自然な場面が多いです。一方で「(遊びに)うちに来て」はViens chez moi. がしっくりきます。つまり、Chez moi は “招く・迎える” 場面に強い表現なんです。
この違いを知っておくと、店名や施設名の「Chez moi」が持つ 招き入れる感じ がよりはっきり見えてきます。
読み方・発音は「シェ・モワ」に近い?「シェ・モア(Chez moi)」表記が多い理由
フランス語の発音記号で見ると Chez moi はおおむね[ʃe mwa](シェ・モワ)に近い音です。日本語カタカナでは「シェ・モワ」「シェ・モア」どちらも見かけます。
じゃあなぜ「シェ・モア」表記が多いのかというと、フランス語の moi(モワ)の「wa」音が、日本語だと「ワ」に寄せにくく、“モア”のほうがロゴや店名として読みやすいから、という事情が大きいです。
ただ意味は同じなので、記事や会話では「シェ・モワ(=Chez moi)」= 私の家 と理解しておけばOK。大事なのは表記より、私の居場所という含みをつかむことです。
フレンチの店名で「Chez moi」が使われる理由:家庭的 × 上質を両立できる
フレンチやビストロの店名で「Chez ○○」や「Chez moi」を見かけるのは、フランス語として自然なうえに、雰囲気づくりがうまいからです。Chez はそもそも「〜のところ」という言い方なので、店名にすると“誰かの家に招かれる感じ”が出ます。
特に Chez moi は「私の家」。お客さん側から見ると、ここは落ち着ける場所というイメージを作れます。レストランの世界観として家庭的(あたたかい)と、フランス語がもつ上質感を同時に演出できるのが強いです。
さらに「Chez moi」は短くて覚えやすく、看板やロゴにも映えます。結果として、敷居は高くないのに、ちゃんと良さそうという絶妙な印象を出せるため、店名に採用されやすいんですね。
老人ホーム(介護施設)で「Chez moi」が使われる理由:名前だけで「ここは家だよ」を伝えられる
老人ホームや高齢者向け住宅の名称に Chez moi が使われるのは、言葉そのものが「家」「居場所」を強く連想させるからです。介護施設は「施設っぽさ」が心理的ハードルになりがちですが、名称に Chez moi を入れると“ここは家の延長”というメッセージをやわらかく伝えられます。
またフランス語には、どこか上品で安心感があるイメージを持つ人も多いので、ブランディングとしても相性が良いです。実際の暮らしの質はサービス内容で決まりますが、名前が与える第一印象は大きく、あたたかいケアがありそう と感じてもらいやすいわけです。
つまり Chez moi は、単なる外国語ではなく、「ここで自分らしく過ごせる」という方向性を端的に示せる言葉。老人ホームで使われるのは、言葉の意味がコンセプトに直結しているからなんです。
例文で覚える!Chez moi の使い方と「chez + 人」の応用
最後に、Chez moi を実際に使うときの定番フレーズをまとめます。ポイントは、「chez + 人(代名詞)」=その人のところという型を覚えること。ここが分かると応用が一気に楽になります。
よく使うフレーズ集
- Viens chez moi.:うちに来て。
- Je suis chez moi.:私は家にいるよ(=自分のところにいる)。
- On se retrouve chez toi ?:あなたの家で集合する?
- Je vais chez le médecin.:病院(医者のところ)に行く。
- On mange chez Paul.:ポールの家で食べる。
注意点として、「chez」は基本的に人に紐づく場所に使うので、単に「建物としての家」を説明したいなら maison を使う場面もあります。とはいえ日常会話では、Chez moi はかなり万能に使われる定番です。
店名や施設名に出てきたときも、意味は同じ。ここは(誰かにとっての)居場所という空気感を出すために、Chez moi が選ばれている——そう理解すると、見かけた瞬間にしっくりきます。

