日本語の「つ(ツ)」をローマ字で書くとき、「tsu」と「tu」どっちが正しいの?と迷う人は多いです。結論から言えば、どちらも方式次第では正しいのですが、日常で目にするのは圧倒的に「tsu」です。
一方で「tu」は、五十音の規則性を重視する訓令式・日本式の考え方から生まれた表記で、学校のローマ字学習や変換ルールの説明などで登場します。
この記事では、「tsu」を使う例・「tu」を使う例を具体的に紹介しつつ、ヘボン式・訓令式・日本式の違いと、迷わない使い分けをわかりやすくまとめます。
「表記を統一したい」「記事や資料でどれを採用すべき?」という人は、最後の用途別おすすめだけでも読むとスッキリします。
もくじ
なぜ「つ」の表記は「tsu」?(tuも方式によっては正しい)
まず結論です。一般的に「つ(ツ)」は「tsu」が最も通じやすく、実務で採用されやすい表記です。駅名・地名・観光案内・英語向けの文章など、外部に見せるローマ字は「tsu」が無難。これは、「tsu」の表記が最も英語圏の人の発する「ツ」の音に近いためです。
一方で、「tu」は間違いではなく、訓令式・日本式という方式での書き方です。五十音の並びをローマ字でも規則的に扱うために「た行=ta/ti/tu/te/to」のように揃える発想から、「つ=tu」になります。
要するに、「tsu」か「tu」かは“好み”というより“方式の違い”です。大事なのは、文章や資料の中で表記が混ざらないように、最初に採用方式を決めることです。
「tsu」を使う例:ヘボン式で発音に近く、読み間違えが起きにくい
「tsu」は主にヘボン式(Hepburn)で使われます。ヘボン式は、英語話者にもできるだけ発音が伝わるように綴る考え方なので、「tu(トゥ)」と誤読されやすい問題を避けられるのが強みです。
たとえば “tsu” の “ts” は、英語圏でも “tsunami” のように見かけるため、「つ」を「ツ」に近い音として連想してもらいやすい傾向があります(完全一致ではないですが、目標は「伝わりやすさ」です)。
「tsu」を使う具体例(単語・地名・人名のイメージ)
「tsu」を採用すると、次のような綴りになります(例はイメージです)。外部向け・一般向けの表記では「tsu」が最も無難です。
- tsukue(つくえ)
- tsumiki(つみき)
- tsubasa(つばさ)
- tsuyoi(つよい)
もちろん、日本語入力(IME)でも「tsu」で「つ」が出ます。迷ったら「tsu」で統一にしておくと、読み手に優しく、検索・表記揺れの管理もしやすくなります。
「tu」を使う例:訓令式・日本式で五十音の規則性を優先する
「tu」は主に訓令式(Kunrei-shiki)や日本式(Nihon-shiki)で登場します。これらは「発音の伝わりやすさ」よりも、かなとローマ字の対応を規則的に揃えることを優先します。
イメージとしては、た行を「ta/ti/tu/te/to」と揃えるため、「つ=tu」にすることで“行の規則性”が崩れないというメリットがあります。学習やルール説明の場面では、この規則性が役立ちます。
「tu」を使う具体例(訓令式っぽい書き方)
「tu」で書くと、次のような綴りになります(例は方式理解のための例)。学校教材やローマ字表で見かけるのはこのパターンです。
- tukue(つくえ)
- tumiki(つみき)
- tubasa(つばさ)
- tuyoi(つよい)
ただし一般の英語読者にとっては “tu” が「トゥ」に見え、外部向けの案内や英語文章では読み違いが起きやすい点に注意が必要です。つまり「tu」は、主に体系(ルール)重視の場面で力を発揮します。
ヘボン式・訓令式・日本式の違い(特徴を1分で把握)
3方式は「何を優先するか」が違います。ヘボン式=読みやすさ(発音寄り)、訓令式=五十音の規則性、日本式=かなの対応を厳密に保つ、という理解が最短です。
特に「し・ち・つ・ふ」あたりは差が出やすいので、まずはここだけ押さえると迷いが減ります。
よく差が出る文字の早見表
下の表で、どの方式が「tsu」か「tu」か、そして他の代表的な違いも一緒に確認できます。記事や資料で統一するときは、この表を基準に決めるのがおすすめです。
| かな | ヘボン式 | 訓令式 | 日本式 |
|---|---|---|---|
| し | shi | si | si |
| ち | chi | ti | ti |
| つ | tsu | tu | tu |
| ふ | fu | hu | hu |
| しゃ | sha | sya | sya |
| ちゃ | cha | tya | tya |
| じ | ji | zi | zi |
このように、ヘボン式は「shi/chi/tsu/fu」のような見慣れた綴りになりやすく、訓令式・日本式は「si/ti/tu/hu」のような規則的な綴りになりやすいのがポイントです。
使い分けのコツ:どのシーンでどの方式を選ぶべき?
迷ったときは、まず「誰に読ませるか」で決めるのが近道です。一般向け・外部向けならヘボン式(tsu)、学習・説明なら訓令式(tu)、かなとの対応を厳密に扱うなら日本式(tu)が基本線になります。
用途別おすすめ(実務で困りにくい選び方)
次の基準で決めると、表記のブレが減って管理もラクになります。一番大切なのは混ぜないことです。
- 一般会話・観光案内・ブログ・一般記事・SNS・英語向け:ヘボン式(例:tsu)
- 学校のローマ字学習・国語の説明資料:訓令式(例:tu)
- 研究・データ処理(かなに戻す必要がある):日本式(例:tu)
「tsu」を基本にしつつ、「tu」については方式の違いとして補足する構成が最も安全です。
よくある疑問:PC入力はtsuでもtuでもOK?「っ(促音)」との違いは?
ローマ字入力で「tu」を打っても「つ」が出るのは、IMEが複数の入力パターンを受け付けるように作られているからです。つまり、入力上は「tsu」「tu」どちらも通ることが多いのですが、“入力できる=どの場面でもその表記が最適”とは限りません。
文章として見せるローマ字(看板・資料・記事)と、キーボードで打つためのローマ字(入力方式)は、目的が違います。見せるなら読みやすさ、入力なら打ちやすさで考えると整理できます。
まとめ:「tsu」と「tu」は方式の違い。迷ったらtsuで統一が安心
「つ(ツ)」のローマ字は、ヘボン式なら「tsu」、訓令式・日本式なら「tu」というのが基本です。どちらかが絶対に正しいというより、“採用している方式が違う”と理解するのが正解です。
実務での迷いを減らすなら、外部に見せる文章は「tsu」で統一し、「tu」は「訓令式・日本式ではこう書く」という補足として扱うのが一番スムーズです。
もし社内資料やサイト全体でルールを決めたいなら、最初に「採用方式(ヘボン式/訓令式/日本式)」を明記しておくと、表記ゆれが起きにくくなります。

