なぜ「街道」は「がいどう」ではなく「かいどう」なのか?

「街道」は、見た目が「街+道」なので「がいどう」と読んでしまいがちです。

でも一般的な正しい読みはかいどう。この記事では、なぜそう読むのかを歴史(語の成り立ち)と漢字の読み(音読み)の両面から、読み間違いポイントも含めて整理します。

「なんとなくそう読む」ではなく、納得できる根拠を押さえると、他の漢字語の読み分けにも強くなれるでしょう。

結論:「街道」は「がいどう」ではなく「かいどう」|読みが先に定着した

結論から言うと、「街道」は「がいどう」ではなく「かいどう」が基本です。理由は、単に「街=ガイ」だから…という部品読みで決まっているわけではなく、語としての「かいどう」が先に広まり、その読みが社会的に共有されていったためです。

その後、表記として「海道」や「街道」などが使われ分けられ、最終的に「街道」の字面が一般化しても、読みは「かいどう」のまま残った、という流れで説明できます。つまり「街道=かいどう」は、読みが先・表記が後という視点で理解すると、すっきり腑に落ちます。

「街」はガイだけじゃない:カイという音読みがある

「街」という字は、日常では「市街」「繁華街」などで「ガイ」の印象が強いかもしれません。ですが、辞書では「街」の音読みとして「カイ」も扱われます。つまり「街道」を「かいどう」と読むのは、無理な当て読みではなく、「街=カイ」の系統があるから成立します。

「街=ガイ」「街=カイ」例(ざっくり整理)

読みよく見る語ニュアンス
ガイ市街/繁華街/商店街 など町なか・市街地のイメージ
カイ街道 など道筋・通り道のイメージ

ここまでで「街道=かいどう」は、音読みとしての整合性が取れていると分かります。ただし実際には、次の章のとおり語の歴史がさらに決定的な理由になります。

もともとは「海道(かいどう)」:表記が変わっても読みが残った

「街道」の読みを理解するうえで重要なのが、「海道(かいどう)」という表記の存在です。歴史的には、主要な道を指す語として「かいどう」が使われ、表記は「海道」が中心だった時期があります。ここで先に広まったのは表記よりも読み(かいどう)でした。

その後、「海道」は本来「海沿いの道」を連想させるため、海とは関係が薄い主要道にも使われるようになると、「海」の字がふさわしくないと感じる場面が増えます。そこで表記として「街道」が選ばれるようになりましたが、すでに読みが「かいどう」で定着していたため、表記が変わっても読みは変わりませんでした

なぜ「がいどう」と読み間違える?よくある原因3つ

「街道」を「がいどう」と読んでしまうのは、間違えた人が悪いというより、読み間違えやすい条件が揃っているからです。特に次の3つが重なると、自然に「がいどう」が頭に出やすくなります。

読み間違いの主な原因

  • 原因1:街=ガイの印象が強い(市街、繁華街などで見慣れている)
  • 原因2:街+道を“部品読み”したくなる(ガイ+ドウで組み立ててしまう)
  • 原因3:「海道」の存在を知らない(語の歴史を知らないと見た目で判断しやすい)

要するに「がいどう」は、現代の頻出熟語(街=ガイ)に引っ張られた推測読みになりやすい、ということ。だからこそ「街道=かいどう」は、見た目より“語としての由来”を優先するタイプだと覚えるのが近道です。

例外もある:地名・駅名では「がいどう」読みが採用されることも

一般名詞としての「街道」は、基本的に「かいどう」です。ただし、地名・駅名・施設名などの固有名詞では、命名時の方針や地域の慣習によって「がいどう」読みが採用されるケースもあります。ここがややこしい点で、「街道=絶対にかいどう」と断定しすぎると、固有名詞でズレる可能性があります。

一般名詞と固有名詞の違い(判断の目安)

  • 一般名詞:国語辞典的な意味の「街道」→基本はかいどう
  • 固有名詞:地名・駅名などの「◯◯街道」→公式の読みが優先

文章を書くときは、「街道」という語が“概念としての道路”なのか、“名前としての地名・駅名”なのかを切り分けると、読みの判断が安定します。

迷ったときの確認方法:辞書・公式情報・読みのコツ

読みを確実にしたいときは、推測で決めずに確認ルートを持っておくのが安全です。特に固有名詞が絡む場面では、辞書よりも公式情報が強いことがあります。

確認の手順(おすすめ順)

  1. 一般名詞なら辞書:「街道」は基本かいどうで掲載される
  2. 地名・駅名なら公式:自治体サイト、鉄道会社、地図アプリの表示を確認
  3. 文脈で判断:「東海道」「旧街道」など“道の種類”を言っているならかいどうが自然

覚え方としては、「街道」は海道(かいどう)由来とセットで記憶すると覚えやすいです。「海道→街道(表記が変わっても読みは残る)」という一本線が頭に入ると、読み間違いがぐっと減ります。

まとめ:「街道」は「がいどう」ではなく「かいどう」

「街道」が「がいどう」ではなく「かいどう」なのは、次の2点で説明できます。

  • 「街」には「カイ」という音読みがあるため、「街道=かいどう」が成立する
  • 語としての「かいどう」が先に定着し、後から「街道」表記が一般化した