金へんに口「釦」の読み方・苗字や熟語【漢字辞典】

金へんに口の「」は、衣服の留め具としてのボタンを表す漢字として知られます。ただし現代の文章ではカタカナのボタン表記が主流で、釦は辞書や服飾分野、古い文章などで見かけやすい字です。また釦は常用漢字表に入っていない表外漢字なので、新聞や公的文書ではあえて漢字で書かれないこともあります。だからこそ、いざ出てくると読み方や意味で迷いがちです。

この記事では、釦の基本データ、音読み・訓読み、金+口という形の理由、名字での登場可能性、熟語や用語例までをまとめます。見た目はシンプルでも情報量が多い字なので、順番に整理していきます。

金へんに口「釦」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報

釦は金へんの漢字で、字書では金属製の飾りや留め具に関係づけて説明されます。まずはプロフィールを押さえると、読み間違いが減ります。

重要なのは、常用漢字表には載らない点です。入力で出せても一般文では出番が少なく、目にする機会が限られます。

基本データ早見表

項目内容
部首金部(かねへん)
画数11画(金8+口3)
読み音 コウ/訓 ぼたん
漢検目安準1級
文字コードUnicode U+91E6/JIS X 0213 1-43-53

意味の中心はボタンですが、古い説明として金銀や玉で器の口縁を飾るという意味も挙げられます。どちらも金へんらしく、金属や装飾のニュアンスが共通しています。

入力面では、読みで変換して出すほか、環境によっては候補に出にくいのでコピーで対応するのも現実的です。漢検の級はあくまで目安として受け取るとよいでしょう。

なお、文字コードとしてはJISの範囲にも含まれるため、表示できる環境は比較的多いです。それでもフォントによって見え方が違うことがあるので、印刷物では確認してから使うのが安心です。

金へんに口「釦」の漢字読み方|音読み

音読みは「コウ」が基本です。単独でコウと読むよりも、漢語的な語(古典・漢籍由来の語)で現れることが多く、日常会話ではほぼ使いません。

資料によってはクも載りますが、クは使用例が少ない読みとして扱われがちです。呉音と漢音の違いとして説明されることもありますが、現代の文章で出会う範囲ではコウで整理して問題ないことが多いです。

読みの説明として、漢音をコウ、呉音をクとする資料もあります。実際の使用頻度はコウ側に寄るので、まずコウを基本形として覚え、クは知識として控えておく程度で十分です。

音読みが出やすい語

次のように、字通系の語彙では漢語の熟語ではコウが基本だと分かります。

  • 釦器(こうき) 金銀で口縁を飾った器
  • 釦砌(こうせい) 玉をちりばめた軒下の石畳
  • 釦鈕(こうちゆう) ボタン

これらは辞書的・文語的な語で、一般の生活語としては出番が少なめです。文脈が古典・漢文寄りなら音読み、服飾の説明なら訓読み、というふうに切り替えると迷いが減ります。

金へんに口「釦」の漢字読み方|訓読み

訓読みは「ぼたん」で、衣服の留め具や装飾としてのボタンを指します。読み自体は直感的ですが、漢字表記が珍しいため、文章で見ると戸惑いがちです。

現代文では、現代文はカタカナのボタンが主流で、釦は服飾の説明書、古い小説、漢字表記を好む文章などで出てきます。意味は同じでも、表記の場面が違うイメージです。

どんなボタンを指す?

釦は幅広く使えますが、特に衣類や機械の留め具を指す用法が多いです。代表例を挙げます。

  • 金釦(きんボタン) 学生服などの金色のボタン
  • 押釦(おしボタン) 押しボタン、スイッチの意
  • 釦付け(ぼたんつけ) 裁縫でボタンを縫い付けること

釦は当て字的にボタンへ当てられた表記なので、ボタン穴やボタン掛けなども、表記ゆれとして釦穴・釦掛けのように書かれることがあります。服や装置の話なら、基本はボタンだと考えて大丈夫です。

例文:上着の釦が取れたので付け直した。文章が裁縫や衣類の話なら、この釦はそのままボタンと読んで意味が通ります。

金へんに口「釦」の成り立ち(字源)|金+口でなぜこの意味になる?

釦は、意味の要素と音の要素を組み合わせた形声文字だと説明されます。左の金は金属を示し、右の口は発音の手がかりになる、という考え方です。

字書では、金属で器の口縁を飾るという古い意味が挙げられます。ここでは金が意味の手がかりになり、装飾金具や飾り縁といった方向へ意味が寄ります。

ボタンの意味につながる流れ

衣服の留め具であるボタンも、昔は金属や貝などで作られた小さな留め具でした。装飾性のある金具という点で釦の字義とつながり、ボタンの当て字として定着していきます。発音面では口は音を示す要素として、コウの音につながるとされます。

なおボタンは外来語で、語源はポルトガル語由来だと説明されます。釦や鈕という漢字表記が併存するのは、外来語に複数の漢字が当てられてきた歴史があるためです。

字通の説明では、器の口を金で飾るという原義に加え、叩いてかぶせる動作と音の連想にも触れています。金具を留める感覚が、ボタンの機能と相性が良かったと考えると理解しやすいです。

金へんに口「釦」が使われる苗字と読み方

名字での使用例は非常に少ない漢字です。主要な名字データでは釦を含む名字が見つけにくく、実用上はほとんど出会わない字だと思ってよいです。

また入力フォームや名簿ソフトでは、外字扱いで別の字に置き換わったり、表示が崩れたりすることがあります。人名の表記は、本人の登録表記を尊重して扱うのが基本です。

ただ名字は表外漢字が使われる例もあるため、理論上はゼロとは言い切れません。だからこそ、もし人名で釦を見かけたら、読みは必ず本人確認が安全です。推測で呼ぶと失礼になりやすいので注意しましょう。

読みを外さないための確認手順

  • 名刺やメール署名のふりがな、ローマ字を確認する
  • 手元に資料がなければ、失礼のない形で読みを尋ねる
  • システム上、外字扱いで別字に置換されることもあるため、原表記を控える

参考として、同じくボタンを表す字の近い字の鈕は名字として確認例があるため、字の系統として人名に使われうる、という点は覚えておくと便利です。釦と鈕は意味が近く、文章によっては表記ゆれも起こります。

金へんに口「釦」を使う熟語・言葉と読み方

釦を含む語は衣服関係が中心で、裁縫・服飾・制服などの文脈で出てきやすいです。一方で、字通に載るような漢語熟語もあります。

読みで迷いやすい語を、まずは一覧で押さえましょう。とくに金釦はキンボタン、そして古語の釦器はこうきが定番です。文脈が服飾か古典かで、訓読みと音読みの切り替えを意識します。

読み意味・メモ
ぼたん衣服の留め具。表記はボタンが一般的
金釦きんボタン金色のボタン。学生服などで用いる
押釦おしボタン押しボタン式のスイッチ
釦付けぼたんつけボタンを縫い付ける作業
釦鈕こうちゆうボタン(漢語的な言い方)
釦器こうき口縁を飾った器(文語・辞書語)
釦砌こうせい玉をちりばめた石畳(文語・辞書語)
紐釦ちゅうこう服飾材料の分野で使われる表記例
燭釦しょくこう字通で下接語として挙がる語の一つ

日常の文章ではボタン表記が一般的なので、漢字で釦が出てきたら、まず服飾や装置の文脈か、辞書語彙かを確認すると読みが安定します。

金へんに口「釦」を含む地名・用語と読み方

釦を含む地名は確認例がほぼないのが現状です。地名データベースでも、釦を含む地名一覧が実質的に空になっているケースがあります。

もちろん、未調査の小字や私的な通称まで含めれば存在する可能性はありますが、少なくとも一般に流通する地名としてはかなり珍しいと考えられます。

一方で、用語としては会社名や専門用語で残ることがあります。たとえば服飾業界では、ボタンや服飾材料を指して紐釦という表記を使う例があり、読みは ちゅうこう とされています。

地名か用語かで迷う場面では、迷ったらボタンの意を起点に読むと整理しやすいです。次のような形で現れます。

  • 日本紐釦貿易(にほんちゅうこう) 服飾材料の分野での社名用例
  • 押釦式(おしボタンしき) 押しボタン式の装置
  • 釦鈕(こうちゆう) 文語的にボタンを指す語

もし自治体名や地名らしい表記で釦が出てきた場合は、公式の地図や自治体サイトのふりがな表記を優先すると確実です。一般には珍しい字なので、誤読防止のために読みが併記されていることが多いです。