木へんにヒ「朼」の読み方・苗字や熟語【漢字辞典】

木へんに「ヒ（匕）」を組み合わせた「朼」は、見た目が似ている字も多く、パッと読むのがむずかしい漢字のひとつです。

この記事では、木へんにヒ「朼」の読み方・意味・苗字や熟語（言葉）まで、辞典っぽくわかりやすくまとめます。

木へんにヒ「朼」の漢字の意味とは？

「朼」の意味は、ひとことで言うと「木で作られた大きな匙（さじ）」です。

現代の日本語ではあまり見かけませんが、辞書の説明では「木製の大きなスプーン（ひしゃく寄り）」のニュアンスで紹介されることが多い漢字です。

また中国の字義では、古代の祭祀（儀式）で鼎（かなえ）から肉を取り出して俎（まないた／供え台）に移すための大木勺（大きな木のさじ）として説明されます。用途が具体的なので、イメージすると覚えやすいです。

「朼」は部首が木（きへん）の漢字で、画数は6画です。常用漢字ではなく、漢検の目安も配当外として扱われます。

また、環境によっては表示が崩れたり文字化けしたりする環境依存文字として注意書きが付くことがあります。ネット検索や書類入力で出てこないときは、Unicode情報を手がかりにすると便利です。

音読みは「ヒ」です。「木へんにヒ」と聞いたときは、「朼＝ヒ」まずはこれだけ押さえればOKです。

ただし、実際の文章内では出現頻度が高くないため、見かけたら前後の文脈や似た字（札・枇など）との取り違えに注意しましょう。

訓読みは「なし」として載ることが多い漢字です。日常的な和語として読む機会がほぼありません。

ただ、右側のパーツである「匕」には「さじ」の意味があるため、意味の説明として「木製の大きなさじ」と書かれることが多いです。

読み方に迷ったら、基本は音読みの「ヒ」で捉えるのが安全です。資料や場面によっては、注釈的に“さじ”系の道具として説明される、と覚えておくと混乱しません。

「朼」は、構成としては「木」＋「匕」です。「木」は材質（木製）を示し、「匕」は古く“さじ（スプーン）”に関わる要素として扱われます。

そのため、組み合わせの発想はシンプルで、「木でできた匙」→「木製の大きな匙」という意味につながります。

さらに古典的な説明では、祭祀の場で鼎から牲体を取り出し、俎へ移すための大きな木の勺（さじ）という具体的な用途が示されます。字の意味を“道具の用途”で覚えると、忘れにくいです。

「朼」は常用漢字ではなく、表示も安定しないことがあるため、苗字に使われる例は多くありません（少なくとも一般的な名字一覧では見つけにくい部類です）。

もし人名・苗字として出会った場合は、必ず本人・公式表記のふりがなを確認するのがおすすめです。文字コードや異体字の都合で、別字に置き換わっている可能性もあります。

読みとしては、漢字の基本に沿えば「ヒ」が最有力ですが、苗字は読みが多様になりやすいので、自己判断で決め打ちしないのが安全です。

「朼」は単独で意味を持つ一方、現代日本語の一般的な熟語は多くありません。とはいえ、辞書・漢文の世界では“言葉”として出てくることがあります。

このあたりは、日常会話で使うというより“辞書で見かける語”のイメージです。読みは便宜上、各字の音をつないだ形（ヒ＋ソなど）で示されることが多いです。

「朼」が話題になりやすい例として、札幌市内で見かける「朼下」（「ト朼下」など表記揺れも）があります。マンホールや小さめの汚水桝の蓋で見かけることがあり、「札下」と書く代わりに「朼」が使われている、という形です。

紹介記事の中には、札幌市に問い合わせた回答として、刻印「札下」に使う「朼」は旧漢字由来をデザイン化した意匠文字、という趣旨が述べられています。

このように、地名そのものの正式な表記というより、設備・刻印の用語（表記上の都合）として「朼」が出てくるケースがある、と覚えておくとスッキリします。