木へんに三「㭅」の読み方・苗字や熟語【漢字辞典】

「木へんに三」と書く漢字は「㭅」です。見た目がシンプルなので一見“新しい木の漢字?”に見えますが、実は辞書によっては「杉(すぎ)」の異体字(別の書き方)として扱われます。

ただし㭅は、日常の日本語ではほぼ使われない環境依存文字(拡張漢字)の一種です。この記事では、㭅の意味・読み方・基本データに加えて、苗字・熟語・地名では「杉」として出会うケースも含め、わかりやすく整理します。

木へんに三「㭅」の漢字の意味とは?

㭅は、漢字辞典(漢典/ZDIC)では「杉」と同じと説明されており、意味は基本的に「すぎ(杉の木)」です。

「杉」は日本ではスギ(Cryptomeria japonica)を指すことが多く、材木としての「杉材」「杉板」などにもつながります。㭅も同じ意味領域に入るため、文章中で㭅を見かけたら“杉の別字”として読むのが実用的です。

なお、㭅は日本の常用漢字の枠外で、一般的な変換でも出にくい文字です。実務では「杉」に置き換えて扱う場面が多いでしょう。

木へんに三「㭅」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報

㭅は木偏(きへん)の漢字で、総画数は7画です。UnicodeではU+3B45(CJK拡張A)に収録されています。

一方で、日本の学習漢字・常用漢字ではなく、漢検でも配当外として扱われます。表示環境により字形が変わることもあるため、外字・異体字としての注意が必要です。

漢字
部首木(きへん)
総画数7画
UnicodeU+3B45
分類拡張漢字(CJK拡張A)/常用漢字ではない

木へんに三「㭅」の漢字読み方|音読み

㭅は「杉」と同じ扱いになることがあるため、日本語として読むなら音読みは「サン」が目安になります(※「杉」の音読みとして掲載されることがあります)。

ただし㭅自体は日本の一般的な漢和辞典での掲載が薄く、辞書によっては読みを未詳としている場合もあります。迷ったら本文の文脈(杉材・杉林など)から「杉=サン」と判断するのが現実的です。

参考:他言語の読みに近い情報

  • 広東語:saam1(ユニハンの読みデータ)
  • 韓国語(ハンジャ):삼(sam)(「삼나무=スギ」)

木へんに三「㭅」の漢字読み方|訓読み

訓読みは、「杉」と同様に「すぎ」が最も自然です。実際、日本語の地名や苗字で出会うのも「杉(すぎ)」が中心なので、㭅を見かけても「すぎ」と読んで意味が通るケースが多いです。

ただし㭅は常用外のため、学校教材や一般の新聞・書籍ではまず使われません。入力や検索では「㭅」より「杉」で探すほうがヒットしやすい点も覚えておくと便利です。

戸籍・古文書・外字が混じる資料で㭅が出た場合は、まず「杉の異体字」を疑い、必要なら原本の字形(異体字)も併記して扱うのが安心です。

「㭅」の成り立ち(字源)|木+三でなぜこの意味になる?

㭅の字形は、構成としては「木」+「三」(左右構造)です。漢典(ZDIC)では㭅を「杉と同じ」とし、意味も「杉」に寄せて説明しています。

ではなぜ「三」なのか?ここは“意味から作った”というより、字形が似る部分(例:線の並び)によって「杉」の異体字として整理されたと見るのが自然です。つまり、㭅は独立した新語というより、「杉」の別字として流通した字と考えると理解しやすいです。

実務では、㭅を見かけたら「杉(すぎ)」に正規化して読解・表記するのが一般的です。

木へんに三「㭅」が使われる苗字と読み方

結論から言うと、日本の苗字として㭅がそのまま使われる例はかなり稀です。多くの場合、苗字は通常の「杉」で表記されます。

ただ、外字を含む名簿・古い資料・異体字を扱う環境では、㭅が「杉」の代わりに出る可能性があります。その場合の読みは、まず「すぎ」、文脈によっては「さん」が候補になります。