「木へんに戸」で枦(はぜ)と読む漢字は、ふだんの文章ではあまり見かけない表外漢字のひとつです。
ただし、地名(例:香枦園)や苗字、そして植物名(ハゼノキ)などで意外と身近に残っている字でもあります。
この記事では「枦」の意味・読み方・成り立ちから、苗字や熟語・地名まで、漢字辞典としてまとめます。
もくじ
木へんに戸「枦」の漢字の意味とは?
「枦」は、主に①ハゼ(ハゼノキ)を表す漢字として使われます。ハゼノキはウルシ科の落葉高木で、実から木蝋(もくろう)の原料が取れることで知られています。
もう一つの意味が、建築用語の②ますがた(枡形)/とがた(斗形)です。これは柱の上に置く四角い木材(荷重を受ける部材)を指します。
なお「枦」は、正字(本来の字形)である「櫨」の略字・異体字として扱われることが多く、意味や読みも「櫨」側の用法を引き継いでいます。
木へんに戸「枦」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報
「枦」の基本データを、まずは辞書的に整理します。結論から言うと総画数は8画で、部首は木(きへん)、そして常用漢字ではありません。
基本情報(一覧)
| 漢字 | 枦 |
|---|---|
| 部首 | 木(き・きへん) |
| 総画数 | 8画 |
| JIS水準 | JIS第2水準 |
| 漢検の目安 | 配当外(対象外扱い) |
| Unicode | U+67A6 |
PCやスマホで表示できない場合は、フォントや環境の問題のこともあります。検索するときは「枦(はぜ)」や「木へんに戸」のように補助情報を付けるとヒットしやすいです。
木へんに戸「枦」の漢字読み方|音読み
「枦」の音読みは、基本的に「ロ」です。読みとしてはシンプルですが、そもそも「枦」自体が一般文に出にくいので、音読みで読む機会は多くありません。
一方で資料によっては、音読みとして「ル」や「ヘ」を併記しているものもあります(辞典・データベースの流儀の差)。迷ったらまず「ロ」で押さえてOKです。
音読みが活きる例としては、地名の「香枦園(こうろえん)」のように、読みが固定化して残っているケースが分かりやすいでしょう。
木へんに戸「枦」の漢字読み方|訓読み
訓読みは複数あります。ポイントは「植物(はぜ)」と「建築(ますがた/とがた)」の2系統に分かれることです。
訓読み(代表)
- はぜ:ハゼ(ハゼノキ)を指す
- はぜのき:植物名として具体化した読み
- ますがた:柱の上に置く枡形の木(建築)
- とがた:斗形(建築)
人名・名字では名乗りとして「はし」が使われる例もあり、名字辞典では「枦木(はしき/はしのき)」のような読みも確認できます。読みがブレやすい字なので、名前・地名は現地の読み(公式表記)を優先しましょう。
「枦」の成り立ち(字源)|木+戸でなぜこの意味になる?
見た目だけだと「木+戸(と)」で「木の戸?」のように感じますが、実際は「枦」=「櫨」の略字(異体字)として理解するとスッと繋がります。
正字の「櫨」は「木+盧(ロ)」の形で、意味はハゼ/ハゼノキやますがた(柱上の四角い木)。この右側の要素(盧)が、略字化で「戸」に置き換えられた形が「枦」だと説明されます(同系の略し方は「爐→炉」などでも見られます)。
つまり「枦」は、字形は簡略化されても、元の字(櫨)が持つ意味と読みをそのまま引き継ぐ、というのが結論です。字源を押さえるなら「枦=櫨の略」を核に覚えるのがいちばん確実です。
木へんに戸「枦」が使われる苗字と読み方
「枦」は苗字にも使われます。単独の「枦」姓に加えて、「枦木」「枦川」など複合の名字として現れるのが特徴です。
「枦」を含む主な苗字例
| 苗字 | 読み方(例) | メモ |
|---|---|---|
| 枦 | はし/はじ/はぜ | 読みの揺れが出やすい |
| 枦木 | はしき/はしのき/はぜき/はぜのき など | 名乗り読み由来の例も |
| 枦川 | はしかわ/はせがわ/はぜかわ/はぜがわ など | 「川」の読み分けも影響 |
| 白枦 | しらはぜ/しろはぜ | 色+植物名系 |
| 新枦 | しんはし/しんはぜ/しんばし | 地名・屋号由来の可能性 |
| 外枦保 | そとへぼ | 難読寄りの例 |
同じ表記でも地域や家ごとの読みが異なることがあります。名刺や戸籍、公式プロフィールなど本人の表記が最優先です。
木へんに戸「枦」を使う熟語・言葉と読み方
「枦」を含む“熟語”は多くありませんが、実際には正字「櫨」で書かれる語が多く、環境や表記揺れで「枦」が使われることがある、という捉え方が現実的です。
植物・染色・生活文化で出てくる語
- 櫨蝋(はぜろう):ハゼの実から採れる蝋。和ろうそくの原料として有名
- 櫨染(はじぞめ):伝統的な色名・染色名として知られる
- 黄櫨(こうろ/はぜのき):ハゼノキの別称として扱われることがある
文章や媒体によっては、これらが「枦蝋」「枦染」のように略字表記されるケースも見かけます(特に旧表記・地名表記・環境依存の置換など)。覚え方としては、意味は同じで「櫨⇔枦」の表記差がある、と押さえるのが安全です。
木へんに戸「枦」を含む地名・用語と読み方
「枦」がいちばん生きているのは、地名・駅名などの固有名詞かもしれません。ここは読みが固定されるので、知っていると強いです。
地名の例
| 表記 | 読み | 補足 |
|---|---|---|
| 香枦園 | こうろえん | 「香櫨園」と表記されることもある(駅名表記の経緯あり) |
| 枦宇土町 | はじうとまち | 難読地名の一例 |
| 黒神町枦ノ木ケ谷 | くろかみちょうはぜのきがだに | 「枦=はぜ」の読みが素直に出る例 |
| 枦谷 | かたらがい/はせや など | 地域・資料で読みが分かれることがある |
特に「香枦園」は、表記が「枦」→「櫨」へ改められた経緯が記録されています。固有名詞は漢字の意味以上に、公式表記と公式読みが正解になるので、地図・自治体サイト・鉄道会社の表記を優先すると間違いにくいです。

