「木へんにト」と書く「朴」は、見た目がシンプルなぶん意味や読み方が気になりやすい漢字です。
実は「飾り気がない・素直」という性格を表す意味と、「ホオノキ(朴の木)」など植物名としての意味の両方を持ち、苗字や熟語、地名にも幅広く登場します。
この記事では「朴」の意味・基本情報・音読み訓読みから、字源、苗字、熟語、用語までまとめて確認できます。
もくじ
木へんにト「朴」の漢字の意味とは?
木へんにト「朴」には、大きく分けて「飾り気がない・素直」という意味と、「ホオノキ(朴の木)」など樹木を表す意味があります。
熟語では「素朴」「簡朴」「質朴」など、“派手さより自然体”のニュアンスで使われることが多いのが特徴です。
「朴」が持つ代表的な意味
- うわべを飾らない/素直/質素(例:素朴)
- ほお/ほおのき(ホオノキ)
- むち/むちうつ(古い語義として挙げられることがあります)
文脈によって「性格・状態」なのか「植物」なのかが分かれるので、前後の言葉(熟語・用語)で判断すると迷いにくいです。
木へんにト「朴」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報
「朴」は常用漢字に含まれ、辞典でも基本情報が整理されています。部首は木へんで、全体の画数は6画です。
漢検の目安は準2級として扱われる情報が多く、学習漢字としては「中学生で習う」枠で案内されることもあります。
基本データ(目安)
| 漢字 | 朴 |
|---|---|
| 部首 | 木(き/きへん) |
| 総画数 | 6画 |
| 分類 | 常用漢字 |
| 漢検目安 | 準2級 |
| Unicode | 6734 |
木へんにト「朴」の漢字読み方|音読み
「朴」の音読みは、基本として「ボク」がよく使われます。熟語でも「素朴(そぼく)」「簡朴(かんぼく)」「朴訥(ぼくとつ)」のようにボクで読む形が多いです。
辞典では音読みとして「ハク」が挙げられることもあり、こちらは「外(表外)」扱いで載ることがあります。
音読みの整理
- 音読み(主):ボク
- 音読み(表外として載ることが多い):ハク
「ボク」で読む代表的な熟語
- 素朴(そぼく):飾り気がない、自然体
- 簡朴(かんぼく):シンプルで無駄がない
- 朴訥(ぼくとつ):口数が少なく実直
- 質朴(しつぼく):質実で飾らない
木へんにト「朴」の漢字読み方|訓読み
訓読みは「ほお」と「すなお」が代表的です。特に「ほお」は植物名としての用法で、「朴の木(ほおのき)」や「朴葉(ほおば)」のように日常語にも残っています。
また辞典によっては「えのき」など表外読みとして紹介されることもあるため、読みが複数出てきても不思議ではありません。
訓読みの整理(よく出る形)
- ほお:朴の木(ホオノキ)に関する語
- すなお:飾り気がない・ありのまま、のニュアンス
「ほお」で見る用例
- 朴の木(ほおのき)
- 朴葉(ほおば)
- 朴歯(ほおば)(地域や文脈で表記ゆれあり)
「朴」の成り立ち(字源)|木+卜(ト)でなぜこの意味になる?
「朴」は、木へん(木)に「卜(ト)」が合わさった形で、辞典では形声(けいせい)として説明されるのが一般的です。木が「意味(木に関すること)」を示し、卜が音(ホク→ハク系)を示す“音符”の役割を持つ、という考え方です。
もともとは「木の皮」の意味を表すとされ、そこから「加工されていない=飾り気がない」という連想で、「素直・質素」の意味へ広がった、と理解するとつながりが見えやすいです。
なお、古い語義として「むち」や「むちうつ」に触れる辞典もあります。字源説明は辞典によって表現が違うため、学習では「木+卜=木に関する語で、音は卜が担う」と押さえるのが実用的です。
木へんにト「朴」が使われる苗字と読み方
「朴」を含む苗字は実在し、読み方も複数あります。1字姓の「朴」は「ぼく」が代表的として紹介される一方、資料によっては「ぱく」(コリア系の姓として)なども挙げられます。
また「朴木」「朴井」「朴沢」など、後ろに漢字が付くと読みがさらに分岐します。結論としては、苗字は家ごとの読みが優先なので、名刺や公的表記のふりがな確認が確実です。
「朴」を含む苗字例(読み方の一例)
| 苗字 | 読み方(例) |
|---|---|
| 朴 | ぼく/すなお/ほお/はく/ぱく など(資料により幅あり) |
| 朴木 | ほうのき/ほおのき/ほうき など |
| 朴井 | ぼくい/ほうい/えのい など |
| 朴沢 | ほうざわ/ほおざわ など |
木へんにト「朴」を使う熟語・言葉と読み方
熟語の「朴」は、主に音読みボクで読まれ、「飾り気がない」「自然体」「実直」といった方向の意味を作ります。とくに“シンプルで誠実”のニュアンスは、現代でも文章で使いやすいポイントです。
一方で、言葉によっては古い用法・やや硬い表現もあるため、意味を添えて使うと誤解されにくくなります。
よく見かける熟語一覧
| 熟語 | 読み | 意味(ざっくり) |
|---|---|---|
| 素朴 | そぼく | 飾り気がない/自然体 |
| 簡朴 | かんぼく | 簡単で無駄がない |
| 質朴 | しつぼく | 質実で華美でない |
| 朴訥 | ぼくとつ | 口数が少なく実直 |
| 朴念仁 | ぼくねんじん | 無愛想・融通が利かない、の意味で使われがち |
木へんにト「朴」を含む地名・用語と読み方
「朴」は地名や郷土料理の名前にも登場します。特に「朴葉(ほおば)」は、ホオノキの大きな葉を指し、食文化の中で「朴葉寿司」や「朴葉味噌」として定着しています。
地名では「朴木村(ほおのきむら)」のように「ほおのき」と読む例があり、また「朴沢(ほうざわ/ほおざわ)」のようにほお/ほうの揺れが見られることもあります。
用語・料理(読み方)
- 朴葉寿司(ほおばずし/ほうばずし)
- 朴葉味噌(ほおばみそ)
- 朴葉(ほおば):ホオノキの葉
地名の例(読み方)
- 朴木村(ほおのきむら)(地名としての記録)
- 朴沢(ほうざわ/ほおざわ)(地名由来として語られる例)
同じ漢字でも地域・由来で読みが変わるので、地名は地元表記(自治体表記)や現地の読みを優先して確認するのが安心です。

