「木へんに丸」と書く漢字が「𣏒」です。パッと見はシンプルですが、これは日常でほぼ見かけないJIS第4水準のレア漢字(環境依存になりやすい文字)として知られています。
読みは「くるみ」が代表的で、意味も「木の名(くるみ)」として説明されることが多いです。さらに、特定の地名表記に使われるケースもあります。
ここでは、読み方(音・訓)、成り立ち、苗字や熟語、地名・用語での使われ方まで、辞典っぽくまとめて解説します。
もくじ
木へんに丸「𣏒」の漢字の意味とは?
「𣏒」は、木へん(木部)の漢字で、意味は「木の名」とされます。具体的には「くるみ(胡桃)」を指す説明が多く、いわゆる“くるみの字”として扱われます。
ただし、一般の文章で「𣏒」そのものを使う機会はほとんどありません。現代日本語では通常、くるみは「胡桃」やカタカナの「クルミ」で書かれるためです。
例外として、資料や一覧(戸籍・外字リスト・文字コード表など)で「𣏒」表記が出たり、地名用の漢字として登場することがあります。「見かけたら“くるみ系の字”」と押さえておくと理解が早いです。
木へんに丸「𣏒」|部首・画数・常用漢字(漢検目安)など基本情報
「𣏒」の基本情報は次のとおりです。ポイントは常用漢字ではないこと、そしてJIS第4水準であることです。環境によっては表示できない場合もあります。
「𣏒」の基本データ
| 漢字 | 𣏒 |
|---|---|
| 部首 | 木部(き・きへん) |
| 総画数 | 7画 |
| 音読み | サ(資料によって記載) |
| 訓読み | くるみ |
| 意味 | 木の名(くるみ)/地名用に使われることがある |
| 常用漢字 | 常用漢字ではない(表外) |
| 漢検目安 | 配当外 |
| 文字コード | Unicode:U+233D2 / JIS X 0213:2-14-29(第4水準) |
実務で扱うなら、「𣏒=くるみ」という読みの芯だけ押さえつつ、表示できない場面に備えて「胡桃」表記へ置き換えられるようにしておくと安心です。
木へんに丸「𣏒」の漢字読み方|音読み
「𣏒」の音読みは、資料によって「サ」が挙げられます。ただし、日常語として「サ」と読んで使う熟語が定着しているわけではなく、実用面では出番が少ない読み方です。
この字はそもそも使用頻度が低く、見かける場面も文字コード一覧や外字・戸籍文字の文脈が中心になりがちです。そのため、音読みよりも訓読み(くるみ)を優先して理解するのが現実的です。
音読みで迷ったときのコツ
- ルビがある:ルビ最優先
- 木の名前の話:まずは「くるみ」を疑う
- コード表の話:U+233D2などで照合する
木へんに丸「𣏒」の漢字読み方|訓読み
「𣏒」の訓読みは「くるみ」です。くるみ(胡桃)は食用の実でおなじみですが、漢字としては通常「胡桃」で書かれ、𣏒は“レア表記”として扱われます。
文章中で「𣏒」だけが単独で出てきた場合は、まず「くるみ」と読めば意味がつながりやすいです。特に、地名・旧記・土地台帳などで表記ゆれとして出ることがあります。
入力や検索の現場では、環境依存で出せないこともあるので、必要に応じて「胡桃」や「クルミ」に置き換えて運用するのが無難です。
「𣏒」の成り立ち(字源)|木+丸でなぜこの意味になる?
「𣏒」は字形として「⿰木丸(木+丸)」の構成です。木へんが付くことで“木に関係する字”であることが一目でわかります。
さらに「丸」は形としては「九+丶」にも分解でき、古い資料ではこの構成で示されることもあります。つまり「𣏒」は、木の仲間であることを示しつつ、残りの部分(丸)で字形の区別を作ったタイプの漢字です。
また、この字は国字(日本で作られた漢字)として扱われることもあります。中国古典由来の漢字とは別ルートで、地名や記録の必要から使われるようになった、と理解するとスッと入ります。
木へんに丸「𣏒」が使われる苗字と読み方
結論として、苗字そのものに「𣏒」が入る例はかなり稀です。くるみ系の名字は存在しますが、表記はふつう「胡桃」や別の漢字(当て字)で書かれることが多く、𣏒は外字として扱われやすいからです。
そこで実用的には、「𣏒=くるみ」と押さえたうえで、実際の名字は一般的な表記(胡桃など)で確認するのがおすすめです。
「くるみ」と読む名字の例(一般表記)
| 名字(表記例) | 読み | 補足 |
|---|---|---|
| 胡桃 | くるみ | 代表的な表記 |
| 胡桃沢 | くるみざわ/くるみさわ | 複数の読みがある |
| 胡桃田 | くるみだ | 地名由来の可能性も |
| 久留見 | くるみ | 当て字系の一例 |
戸籍・名簿などで「𣏒」表記に出会ったら、まず読み(本人・公式)を確認し、表示できない場面では代替表記(胡桃など)も併記できると安心です。
木へんに丸「𣏒」を使う熟語・言葉と読み方
「𣏒」を含む定番の熟語は多くありません。これは、𣏒が表外で使用頻度が低く、一般語彙では通常「胡桃」が使われるためです。
その代わり、𣏒は単独で「くるみ」を表したり、地名表記の一部として見かけることがあります。実際に遭遇しやすい“言葉としての形”を挙げるなら、次のようになります。
「𣏒」の用例(言葉として出やすい形)
- 𣏒(くるみ):木の名としての表記
- 𣏒田(くるみだ):地名表記として知られる例
- U+233D2:文字コードとしての呼び方(用語)
「熟語が少ない字」だからこそ、出てきたら“くるみ/地名/文字コード”のどれかに当てはめると、読みと意味が迷子になりにくいです。
木へんに丸「𣏒」を含む地名・用語と読み方
「𣏒」は地名での使用例が知られており、代表例として「𣏒田(くるみだ)」が挙げられます。福島県内の地名として扱われる、と説明されることがあります。
また、用語としては「文字を一意に扱うための番号(コード)」で出会うことが多いです。たとえばUnicode:U+233D2、JISでは第4水準などの情報が付随します。
地名・用語でのチェックポイント
| カテゴリ | 例 | 読み |
|---|---|---|
| 地名 | 𣏒田 | くるみだ |
| 文字コード | Unicode:U+233D2 | (コードなので読みは不要) |
| 規格 | JIS X 0213:2-14-29(第4水準) | (規格名) |
| 戸籍系データ | MJ文字図形(文字情報基盤) | (資料名) |
「表示できない」「変換できない」などが起きやすい字なので、地名や人名で使われる場合は原字(𣏒)と代替表記(胡桃/くるみ)をセットでメモしておくのが実務的です。

